ブギーポップは笑わない

作品情報:ぼくは自動的なんだよ。名を不気味な泡(ブギーポップ)という――。「その人が一番美しい時に、これ以上醜くなる前に殺す」死神として女子高生たちに噂されるブギーポップは、実際には「世界の危機」を生じさせる「世界の敵」を察知したとき、宮下藤花から出現する「自動的な存在」だった。

原作は「ナイトウォッチ三部作」や「ヴァルプルギスの後悔」シリーズなどで知られる小説家・上遠野浩平の代表作。上遠野は本作で第4回電撃ゲーム小説大賞を受賞しデビューした。なお、2000年にメディアミックスでテレビアニメと実写映画が放送・公開されている。

OFFICIAL HP_ http://boogiepop-anime.com/

STORY

#01「ブギーポップは笑わない 1」

竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。
しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。
日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。
どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、
不思議な人物が男に駆け寄ってくる。
大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。
ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

#02「ブギーポップは笑わない 2」

放課後、帰り支度をしている末真和子に一緒に帰ろうと声かけた木下京子。
川沿いの道を歩く末真の後ろを怯えたようについてくる京子は、別の道から帰らないかと提案する。
末真はそんな京子に核心をついたかのように、誰かに襲われて殺されるからかと聞く。
口を閉ざす京子に対し、事情はわからないが考え過ぎだと末真が言ったとき、二人の元に、ライダースーツに見を包んだ霧間凪がやってくる。
有無を言わさず、京子の腕を掴んで地面に組み伏せた凪は、このまま腕をへし折るかと語気を荒げるのだった。

#03「ブギーポップは笑わない 3」

姿を消してしまった紙木城直子を心配する田中志郎は、
風紀委員の当番をしていた新刻敬に彼女を見ていないか尋ねるが、今日は見ていないと言われる。
またサボっているのではと言う敬に対して、
志郎は直子がここ最近毎日学校に来なくてならない理由があったことを告げる。
そこに話を聞いていた早乙女正美が、行方がわからないなら霧間凪に聞けばといいと口を挟む。
直子と凪は中学からの友人であり、もしかしたら何か知っているかもしれないと告げる。
三人は凪を探し始めるのだが……。

#04「VSイマジネーター 1」

予備校で美術を教えながら、
学生たちの進路相談も行う飛鳥井仁には生まれつき不思議な能力があった。
それは人の心の欠落が見えるというもの。
飛鳥井の目には人々の胸元に植物が見える。
その植物はどんな人間であっても根や花など、何かが必ず欠けているのだ。
しかし欠けているものはどうしようもなく、
ただ見ることしかできない飛鳥井にできることは、言葉で補うことくらい。
そんなある日、仕事を終えた帰り道で、
飛鳥井は自らをイマジネーターと名乗る少女・水乃星透子に出会う。

#05「VSイマジネーター 2」

日本の高校に進学するため、海外から日本へと戻ってきた霧間凪の母親違いの弟でもある谷口正樹。
姉からのアドバイスに従って、学校ではあまり目立たないように過ごしていた正樹だったが、
ある日、同級生たちから因縁をつけられてしまう。
街中の路地裏で正樹を取り囲む同級生たちに、ふいに一人の少女が声をかける。
まるで正樹の身代わりを買って出るかのように自らを差し出そうとする少女の名前は織機綺。
正樹はこの出会いをきっかけに、織機との距離を少しずつ縮めていくのだが……。

#06「VSイマジネーター 3」

予備校で机を並べて勉強をしていた宮下藤花と末真和子の元に衣川琴絵がやってくる。
かつて末真に殺されるかもしれないと相談をしたことがある木下京子から、
末真の話を聞いてやってきたという琴絵は、末真に予備校の講師であり、
琴絵の従兄である飛鳥井仁を助けて欲しいと話す。
かつてのように悩むことがなくなり、外泊が増え、服に血痕のようなシミをつけていたこともあって、
警察への相談も考えた琴絵だったが、大事になりそうで躊躇していたのだという。
話を聞いた末真は私に任せて欲しいと返すのだが…

#07「VSイマジネーター 4」

織機の願いを聞き入れ、黒い帽子とマントを身につけて、ブギーポップを演じることになった正樹。
織機を囮にして、悪者を退治するといった正義の味方の真似事を始めてから、
すでに2週間が過ぎていたが、正樹はいまだ織機の真意をつかめずにいた。
いつまでもこんなことをしているわけにはいかないと織機に言う正樹に対して、
織機は何かして欲しいことがあれば言って欲しい。正樹がしたいことをなら何でもすると告げる。
そんな織機の様子に、根負けしたかのように、正樹はもう少しだけブギーポップを続けようと言うのだが……。